Letter from the Graduate
 PTC卒園児からの手紙    

        <今何を見ているかについて>

九州旅行後は環境保全に関与する方向へ進みたいと思うようになった私は、「環境だったらバイオ」という情報を耳にして、大学は応用生物科学科という生物学全般を扱う学科へ進学しました。ところが生物科の考え方、生物学そのものに対応することが出来ず大学2年次から物理学科へ転学し今に至っています。
 一見物理は環境保護と相反する立場にあると思われるかもしれません。現代のめまぐるしい科学の発展を支えている土台こそが物理学であり、皮肉にも便利さ、機能本位を追求した結果、地球環境の悪化を招いてしまったのでそう思われても仕方がない。しかし、前述の通り物理はあらゆる科学の底辺に位置しています。換言すれば物理学を専攻していれば、どのような分野にでも行けるのです。物理で用いられる数学や概念は様々な環境分野で応用されています。物理を勉強することは、非常に有益で自分の財産になり得ると言えましょう。
 大学院の進学先は環境方面になるかもしれないし、純粋物理学の道、に進むことも十分考えられる。何らかの形で環境問題に関わりたい気持ちは変わらず、これからも変わらず『地球人』として生きていきたいと思います。

<環境問題に関心を持つようになったきっかけ>

初めて『環境問題』について勉強したのは、PTCの園児だったときのことでした。Apple classの先生Ms.Yokoがポスター(*)の絵を見せながら、汚染物質が廃棄されるとその結果環境がどのような影響を受けるか説明されました。その内容は今考えてみても充分科学的で、幼稚園児でも理解できるように端的にまとめられていました。この頃はまだ『環境問題』が深刻なものではなく、問題視する人がほとんどいませんでした。そのような世相の中Ms.Yokoは熱心にこの問題を取り上げ、園児やプライベートクラスの生徒に話していました。この授業が無意識のうちに私を感化し、今の自分の基礎になっていると言っても過言ではありません。
卒園後、プライベートで英語のクラスを受けていたときも、Ms.Yokoは生徒達にある資料を配布されました。それは『砂漠の緑化』(**)を訴えるものでした。小さな努力の積み重ねで環境悪化を防げることが出来ることを記されていました。Ms.Yokoはこの内容を私たちに懇切丁寧に教えて下さいました。地球環境にハッキリと関心を抱くようになったのは、丁度この頃であったと思います。
中学生になって九州を旅行しました。九州全土を一周し、最も印象に残った景色は阿蘇山の景色でした。辺り一面緑で青空との色のコントラストが絶妙を極め、万物を受け入れるあの包容力・・・・言葉では表現できない神秘的な何かに心を奪われてしまいました。バスの中から食い入るようにして眺めていたことが昨日のように思えます。これなくして我が道を語れません。このとき、「この景色を奪われたくない、守りたい。」と心のうちに誓ったものです。